最終更新日 2024年3月22日

日本には、お宮参りや七五三など子どもの成長を願う行事がいくつもあります。
3月3日に行われる雛祭りも、そんな子どもの成長を願う伝統行事の一つです。
5月5日の端午の節句が男の子の成長を願う行事であるのに対し、女の子の健やかな成長を祈ります。

しかし雛祭りが始まった当初は、現在のような意味や形ではありません。
元々は季節の変わり目に起こる災難から、身を守り厄をはらうための行事として古くから行われてきました。
現在は家庭に飾るひな人形も、川に流して厄払いをするためのものでした。
ひな人形を川に流す行事は、現在でも京都の神社などで流し雛として行われており、テレビのニュースで取り上げられることも多いので見たことがある人は多いかもしれません。

行事としての意味や形が現在のようになったのは、江戸時代と言われています。
江戸時代には人形制作の技術が向上して、豪華なひな人形が作られるようになりました。
当初は畳の上に絨毯を敷いて飾っていましたが、江戸中期にはひな壇が使われるようになり現在の形に近づきます。
また江戸時代以前は、女の子だけの節句ではなく日付も固定されていませんでした。

しかし江戸幕府は毎年変動していた日付を3月3日に固定し、女の子の節句として決定しました。
その後は全国に広まっていき、今では日本国民全員に親しまれる伝統行事になっています。
雛祭りに欠かせないひな人形は、女の子の災厄を移すための人形として作られるようになりました。
そのため様々な意味が込められており、その一つが一夜飾りです。

子育てや仕事が忙しくひな人形を出し忘れていると、前日に飾り1日で片付けるかもしれません。
しかし一夜飾りでは厄払いにならないとされ、女の子の健やかな成長を祈るなら時間を見つけて早めに飾りましょう。
基本的にひな人形は、立春から飾り始めるのが良いとされています。

また雨水の日に飾ると良縁に恵まれると言われており、将来の縁起を担いで日にちを決めることもあります。
さらに地域によっては1月8日頃から飾ることもありますし、旧暦に祝う場合は春休み前の地域もあり、飾り始める日の目安はあっても明確には決まっていません。

出しっぱなしは婚期が遅れるって本当?

ですが直前に飾るのはあまり縁起が良くないので、遅くとも2月の中旬頃には飾り始めると良いでしょう。
片付ける時期については遅すぎると婚期が遅れると言われるので、すぐに仕舞いたくなります。
しかし片付けるは啓蟄の日である3月6日頃が良いとされており、しばらくは飾っておくのも良いでしょう。

そもそも出しっぱなしにしていると婚期が遅れるというのは、後付けの迷信です。
後片付けができないと結婚できないと躾けるために、古くから言い伝えられてきただけなので気にする必要はありません。
むしろ片付けるときに気にしたいのは、当日の天気です。

曇りや雨の日など湿気の多い一日に片付けてしまうと、ひな人形には湿気が残りダメージを与えてしまいます。
良い状態でひな人形を保存するためにも、よく晴れた湿気の少ない日を狙って片付けるようにしましょう。
大切に扱いながら毎年雛祭りに飾っていれば、親から子どもへひな人形は受け継がれていきます。

しかし女の子が生まれたら、新しくひな人形を用意する家庭も多いでしょう。
古くから続く伝統としては、ひな人形は母親の両親が用意するものと言われています。
昔は嫁ぐと夫の家族と同居するのが普通だったために、母親の両親は子どもや孫に気軽に会いに行くことはできませんでした。

そのため母親の両親は、ひな人形を持って子どもや孫に会いに行く口実を作ったと言われています。
しかし現代では夫の家族と同居するケースも減り、母親の両親も気軽に孫に会えるようになりました。

ですから初めての雛祭りに必要なひな人形は、必ずしも母親の両親が用意しなければいけないという決まりはありません。

引用:雛人形かわいい

家庭によっては夫の両親が用意したいと思うかもしれないので、女の子が生まれたら一度相談してみると良いでしょう。
相談をするときには、誰が買うかだけでなくサイズなども話し合っておくのがベストです。
飾るスペースがある一戸建てなら、豪華なひな人形を購入しても問題ないでしょう。

しかしアパートやマンション住まいなら、豪華なひな人形を飾るスペースはありません。
スペースがなく飾ると室内が狭くなるようだと、毎年飾らなくなってしまいます。
かといって現在の住まいに合わせたサイズにすると、将来広い家に引っ越したときに物足りなくなります。

ひな人形のサイズを考えるときには、現在の住まいだけではなく将来の計画も考えながら決めましょう。
ひな人形はお正月を過ぎると、人形の専門店やデパートの店頭に並び始めます。
雛祭りまで余裕があるとゆっくり選びたくなりますが、立春から飾り始めることを考えるとそれほど時間はありません。
人気があるひな人形は売り切れてしまうので、購入するなら早めに行動することが大切です。

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