最終更新日 2024年3月22日

◯商社の具体的な業務内容とは

商社は知名度が高い大企業が複数あり、ドラマや漫画の舞台となることも多いため、親近感ある存在だと感じる人も多いことでしょう。

そのイメージといえば、大きな本社ビルで、スーツ姿の男女が会議をしたり、会議を飛び回っている姿を思い浮かべる人が多いと思われます。

しかし、メーカーや研究所、サービス業なら基幹とする事業が何であるかは検討がついても、商社となると、その業務内容を具体的には知らないという方も多いようです。

一言で言うと、物やサービスの販売を行っている会社、ということになります。

ただし、店頭で物の販売を行なうのとは異なり、あるジャンルの商品やサービスを、国内、あるいは海外にどのような形で提供、販売するかの戦略を立て、メディアに宣伝を出したり、物流などの販売網を整備することまで行ないます。

◯物を売るということを、その根本的な部分からプロデュースすること

つまり、物を売るということを、その根本的な部分からプロデュースすることが仕事である、といえるでしょう。

特定の商品、たとえば衣服や書籍にだけ特化した専門の会社と、基本的にあらゆる物資、サービスであればどのようなものでも扱う総合の会社があります。

よくドラマなどの舞台になる大規模な会社は総合の会社です。

日本国内はもちろん、海外まで広く大量のサービスを扱うため、収益も大きな大企業になりえているわけです。

かつては特定の地方や国の生産物をその他の地域、国に販売することで利ざやを稼ぐような業態であったものが、近年では、様々なメーカーや会社、時に個人が作成するコンテンツまで、その存在を調べ上げて優位性を調査し、より効率的で大規模な販売ができる戦略を提案、サービスや物品を供給する会社や個人を巨大市場につなぐ役割を果たすようになっています。

ただ販路の開拓、拡大だけでなく、その豊富な情報網を活用して、現在市場で求められている商品イメージを整理して供給元に伝え、よりニーズの高い製品を開発できるよう協力することも重要な役割となっています。

取引先の企業もあらゆるジャンルに及ぶため、異なる業界の橋渡しをして、それまで交流のなかった会社、個人間の協力体制を構築し、新たなサービスや製品を生み出すこともあります。

物の製造ひとつをとっても、原材料の入手、加工から販路、宣伝戦略まで全て統括することで、各業界だけでは困難な取り組みを可能にできる点も強みです。

そのような立場にある商社が情報を集め、優れたアイデアを出すことで、世の中を変えるほどのヒット商品を生み出すこともあるため、若く意欲の高い学生にも就職先として大変人気があります。

社員の待遇も高い会社が多いようです。

◯最も主力となるのは営業部門

各社員の業務内容はというと、最も主力となるのは営業部門でしょう。

ただ、メーカーの営業が販売を最大の目的としているのとは異なり、上記のように自社が手がけることのできるジャンルの企業、物資、サービスと市場に関する情報を生かして、複数の企業と市場をつないで新たな需要を開拓、仕事そのものを生み出すような企画力が求められます。

ハードルは高いですが、仕事のスケールが大きくなるため、成功時に得られるであろう報酬や充実感は大きな魅力であるといえるでしょう。

◯営業のバックアップを行う営業事務、貿易事務の仕事

営業が表舞台とすれば舞台裏を支えるのが営業事務、貿易事務の仕事です。

現場を飛び回る営業担当者には、法律や財務面の知識が必要になります。

海外との取引を前提としている場合は、貿易に関する知識だけでなく、外国語にも精通していなければ対応できない事務仕事が大量に発生します。

それらの処理を専門として行い、営業のバックアップを行なうのがこの部門です。

専門知識が求められるため、様々な国家資格、国際資格が必須で、総合商社クラスにもなれば世界で通用する専門知識をもったスペシャリスト集団を擁しています。そして営業や事務部門を統括する事業企画部門があります。

基本的には会社の経営陣か、現場経験を十分に積んだ管理職で構成され、個別の案件ではなく、会社全体の動きを決めることになります。

何の分野に投資を行なうか、どの企業をバックアップするのかを決定し、ときに重要な取引先の経営計画立案にまで踏み込んだサポートを行ないます。

このレベルで従事している方は、世の中に与える影響がはっきりと目に見える仕事をしている実感を日々得ていることでしょう。

一般的なイメージで、商社の仕事は激務であると思われている理由も、ここまでの説明で感じていただけたことと思います。

営業、事務、事業企画、どの部分でも膨大な情報を処理し続けることが求められ、かつ、多数の企業を統括する関係上、多くの人と交渉する場面が多く、しかも競争相手は今の時代では世界規模であり、内容の濃さだけでなく、スピードでも負けないことが求められるため、どうしても激務とならざるを得ない世界なのです。

逆にいえば、それほどの高いレベルの競争と緊張感を味わうことのできる、他にはない仕事であるともいえます。

自分の力を試したいと思う若い人はここに魅力を感じて挑戦しようと思うのでしょう。

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