最終更新日 2024年3月22日

出版マーケティングというのは、企業等がブランディングや広告、採用などの様々な目的のために自社負担で書籍を出版することです。
書籍そのものを売り出す場合とは異なり、書籍を販売することで他の目的をかなえようとするものですので、どのようなものを作るかは目的によって大きく異なります。
例えば、自社が販売するサービスや商品などの宣伝を目的とする場合には、開発秘話や販売している商品等の詳しい紹介、便利な活用法などが中心となりますし、企業のブランディングや人材探しを目指すのならばその成り立ちや設立の目的などを説明したり、企業の魅力をアピールしたりするものが多いです。

ブランディング出版とマーケティング出版それぞれの目的や違い

税金面でもメリットがある

こういったマーケティングは、比較的負担が少なく管理が楽で更新しやすいネットを媒体としたものが主流になっていますが、だからこそ逆に書籍として紹介するのは珍しく、ユーザーからの信頼性も高くなりやすくなっています。
また、税金面でもメリットがあります。
一般的に、企業や商品等をアピールするために作成した書籍にかかるコストは広告費として経費計上が可能です。
企業が独自に書籍を作る場合、一般的に書店で販売されるようなものと違ってスケジュールは自社で自由に決められるため、年間売り上げが高額になったときに書籍を作って経費を出すというような調整も可能になります。
もちろん、売れた分だけ書籍からの利益も得られますし、読者にネット以上のインパクトを与えられますので、挑戦してみる価値は十分にある方法です。

ビジネス英語を学ぶ上での心構えと学習法

紙の媒体はまだまだ需要がある

馴染みやすさの面からも、紙の媒体はまだまだ需要があります。
今では多くの情報がネットを利用すればすぐに見られるとはいえ、手元に端末が必要になりますし、回線速度によっては調べるのに時間がかかるなどの制限がある上、手書きのメモを書き加えたり、次にすぐに見つけられるようにしおりを挟んだりするためには専用のツールが必要になるので非常に面倒です。
また、ネットの情報は簡単に書き換えができますし、匿名性が高いこともあって中には事実ばかりを書いていないものもあるなど、信ぴょう性の面でも紙媒体に比べて評価は低くなります。
これらのことから、長期的にアピールしたい内容に関しては、紙媒体でマーケティングをするというのは有効な手段になり得るのです。

自社や書店などで販売する以外の使い道もある

そして、企業がある目的をもって書籍を作成した場合には、自社や書店などで販売する以外の使い道もあります。
例えばセミナーのテキストとして配布したり、休憩場所などに読み物としておいたりすることで多くの人の目に触れさせることができ、PR効果が高いものになります。
書籍の完成度についても、自社でどれくらいのコストをかけるかあらかじめ決めてから進めることができるため、目的に合った筆者や出版社に依頼して好みの仕上がりになる点が魅力といえるでしょう。
長く自社に関するアピールをする際に、時間と手間をかけて準備ができること、高級感がある仕上がりになることなどから、ある程度規模の大きい企業のマーケティングとしては優れています。

出版の工程は一般の書籍とほぼ同じ

出版の工程は一般の書籍とほぼ同じです。
ただし、媒体を書籍とすることをふまえて、企業のためにどのような利益を得ることを目的としているのか、そのためにどのような本をどうやってアピールするかなど、通常の書籍とは異なる視点から企画をしなければなりません。
信頼性の向上、情報の集約化、多角的なアピールなど、目的を決めておくことで書籍のサイズや文章、レイアウトなどを決めるときにスムーズに進めることが可能です。

次に、プランナーと打ち合わせをします。
もちろん、自社内で企画を立てて出版だけを外注することも可能ですが、コストや目的にかなったレイアウトを考慮する場合には、専門知識を有しているプランナーを入れた方が有利です。
読者層や読者の人物像を意識した書籍づくりをした上で、大まかな形を作って販路まで企画を立てた後、出版社と打ち合わせに入ります。
今度は目次づくりや取材、執筆、編集などの具体的な制作過程に入っていきますので、社内の担当者にとって負担が大きくなる時期です。
スケジュールに余裕があれば良いですが、書籍となると文章量も多くなりますので、編集や校正、ブラッシュアップなどのために早めに作業を進めなければなりません。

全ての作業が完了して入稿まで終えると、後は完成品を受け取って販売するという流れです。
書店への納品やWebなどによるPR、プロモーションなどの宣伝が必要になりますので、実際に店頭に並ぶよりも前に準備を進めておきましょう。
次にまた書籍を作る予定がある場合には、この時に購入者の層や感想などからくる読者のフィードバックをまとめて分析し、より質が高く多くの人の目に留まるようなものを作る際の参考にします。

まとめ

このように、本を媒介としたマーケティングは企画から実行までの時間も手間も膨大なものにはなりますが、一度終えれば長期的に利用できますので、ぜひ挑戦してみましょう。

Back To Top