最終更新日 2024年3月22日

山本昌さんの経歴

山本昌というと50歳まで現役を続けたとんでもなく長命な選手として有名です。
その成績が凄いことは確かに凄いのですが、この長く続けたという意味では彼ほど自己管理が出来た選手はそれまでいなかったからといってもいいでしょう。

そして、今でも彼以上に自己管理が出来ている選手はそうはいません。
そのことは、現役の投手で40歳以上の人がほとんどいないという事を見ても明らかです。

プロ野球選手において投手というのはある意味では使い捨てともいわれるぐらいに過酷な使われ方をするのでなかなか現役生活を長くするという事は難しいのです。
それが山本昌の年代ぐらいになると、今では考えられないような使われ方をしていた時代ですから、そのような時代の人がここまでの現役生活を出来た事は奇跡に近いといってもいいかもしれません。

この奇蹟を成し遂げられた理由は彼の自己管理能力が極めて優れていたからだといってもいいでしょう。
彼はプロ野球選手の中で極めて稀有な自分に対して責任を自分で持つという事を考えた選手だったのです。

プロ野球選手の自己管理能力

これはある意味では当然と思えることのような気もしますが、今でもこれが出来ている選手はほとんどいません。
ほとんどの選手が監督やコーチの言うがままにトレーニングをして試合をするという事をしています。

今では野球に対する知識や技術がどんどんと進化しているので、これが最適だとも考えられるところがありますが、山本昌の時代には、そのような技術や知識はありませんから、理由が分からなくても上の指示に従うという精神論だけが優先されることが多々ありました。
今でもまだこの傾向はあるといっても良いかもしれませんが、彼の時代は精神論で全てが片付けられてしまうような時代でもあったのです。

どこか調子が悪いというと、根性がたるんでいるというだけで根性論にすり替えられるという事が当然のようにあったわけです。
試合となれば投手が連投するような事は当たり前で、今の様に投手が休むというような事は考えられないような時代があったのです。

そのような時から山本昌は自分の投球数やトレーニング方法にこだわりを持っていました。
何故彼がそうしたこだわりを持つようになったのか、いつ頃からなのかは分かりませんが、晩年の頃にはこの考え方に彼は確信を持っていたことは確かです。
そのため、試合の途中であっても自分が決めた投球数になったという事で自らマウンドを降りるというような事もありました。

頑なに自分の意思を貫いた山本昌

このような彼の姿勢は当然、若い頃は認められることはありませんでした。
何しろ彼がいかに凄い選手だといっても周りにも当然、同じように凄い選手はいくらでもいたわけです。

彼は確かにプロ野球選手の中でも優れた能力を持ち、結果もある程度は出している選手ではありましたが、それでも超一流選手かというとそこまでではなかったといってもいいでしょう。
彼よりも凄い選手は何人かはいたわけで、そのような状況下で自分のやり方を徹底するという事は極めて困難な状況でした。

ですが、それを彼は貫き通したわけです。
そんな彼の姿勢は周りからするとやる気がないというような評価になる事も少なくはありませんでした。
ですが、彼は結果を残し続けることで、こうした評価を退けていったわけです。

超実力主義のプロ野球を生き抜いた山本昌

プロ野球選手の世界程厳しい実力主義、成果主義の世界はないといってもいいかもしれません。
何しろプロ野球選手は昔も今も子供が最も憧れる人たちですから、その競争力たるや並大抵のものではありません。

プロ野球選手になれるのは、とんでもない運動能力を持った人たちばかりといってもいいぐらいです。
そのようなところで自分の意志を貫けるという事は驚くべきことだといってもいいでしょう。
ある意味ではコーチの存在を否定するような事にもなるわけですから、コーチのような使う側からするととんでもない選手が出てきたという事になります。

当然結果が出なければ、即解雇という道が残ってしまうことになってしまいます。
プロ野球選手が自分の考えでトレーニングをするという事は、それだけ大きな意味を持つという事になるわけです。
これがいかに難しい事なのかが分かるでしょう。
並大抵の根性では出来る事ではないのです。

50歳まで現役で続けられた理由

山本昌はこれをかなり若い時代からしていました。
つまり、自分で自分の行動に責任を持つことを若くからしていた稀有な選手だったわけです。
これが彼を長命な選手にしたことは間違いないありません。

当時は間違ったトレーニング方法はいくらでもあり、練習中に水を飲むことすら禁止されるという事もありました。
そうした間違ったトレーニング方法は全て却下して、自分が納得できる方法だけを選ぶことをして来たわけです。

その結果自分の体を長持ちさせることが出来るようになったのでしょう。
人と違うトレーニング方法になるので、当然一人でこれはすることになります。
プロの世界でこうした孤独に耐えてひたすらに自分の道を歩んできたことが、長命につながったという事になるはずです。

 

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